アレルギーを予防したり完治させることができるTレグ細胞の免疫療法

スギ花粉症
テレビで話題の健康情報

2015年4月5日のNHKスペシャルでは、新しいアレルギーの予防法や治療方法について取り上げられていました。
花粉症や、食物アレルギー、動物アレルギーなど、日本人のおよそ3人に1人が悩まされているアレルギーの、完治に向けた画期的治療方法に注目が集まっています。

 icon-square 数回の治療で画期的にアレルギーが良くなる治療方法発見の経緯

1960年代から急増しているアレルギーは、深刻な現代病となっています。
また日本人は3人に1人が、何らかのアレルギーを持っているといわれています。

2012年からおこなわれたアーミッシュの村での大規模な調査

アーミッシュ新しいアレルギーの治療方法は、アレルギーの人がほとんどいない集団から始まりました。
アメリカのオハイオ州で暮らしているアーミッシュです。
彼らの祖先は、200年以上前にヨーロッパから移住してきたドイツ系移民です。 
宗教的な理由で、移民当時の生活様式を徹底して守っているため、映画のセットのような光景で、ガス灯を使い、移動手段も馬車を使います。
自給自足で牧畜が盛んなため、幼い頃から家畜の面倒を見る習慣があるそうです。

この生活習慣から、アーミッシュには特別なアレルギーに強い遺伝子があるのでは?と考えた、ミュンヘン大学教授のエリカ・フォン・ムティウス博士は、2012年からアーミッシュの村で大規模な調査を行い、10歳前後の子供達から血液を採取し分析しました。
しかし、特別な遺伝子は見つからなかったのです。

アーミッシュの生活で注目したのは家畜とふれあう暮らしだった

アーミッシュの暮らしアーミッシュは都会に住んでいる人と比べると、花粉症になっている人は1/20、アトピー性皮膚炎になっている人は1/10と、極端に少ないのです。
なぜアーミッシュにはアレルギーが少ないのでしょうか?

実は、子供の頃家畜にふれあうと、アレルギーになりにくいというデータが以前よりあったため、アーミッシュにアレルギーが少ないのは、アーミッシュの動物とふれあう生活習慣のためではないかと考えました。

家畜とふれあうと体の中に何が起こるのか?

家畜を飼っている人々の血液を、免疫細胞のさまざまな種類を見分けることができる、血液の分析装置を使って分析した結果、家畜とふれあう人たちは、そうでない人と比べると、35%も多い【ある細胞】を発見したのです。

その細胞が【制御性T細胞(通称Tレグ)】で、その「Tレグ細胞が家畜とふれあうと増えるから」と結論づけられたのです。

 icon-square Tレグは20年前に日本人が発見していた

Tレグは20年前に、大阪大学教授の坂口志文教授が発見していました。
その功績で坂口志文教授は、ノーベル賞の登竜門と言われているガードナー国際賞を受賞されました。

そもそも免疫は、さまざまな種類の攻撃細胞がチームプレーで、外部から入ってきた異物を攻撃する仕組みです。
坂口志文教授はその仕組みの中に、攻撃を止める細胞がいることを発見しました。
それが制御性T細胞(Tレグ)です。

スギ花粉アレルギーは、花粉などが外部から入ってきたとき、体に害がないにもかかわらず、攻撃細胞がそれを攻撃し続けることで起こる症状です。
そこで重要なのがTレグの働きです。

Tレグは、アレルギー物質が体に害がないことを判断し、攻撃細胞に攻撃を止めるように、指令を出しているのです。
言い換えれば、そのTレグがアレルギーになるかどうかの、決め手となっていることになります。

家畜が出す細菌を子供の頃から吸い込むと、免疫が刺激されてTレグが増えることが分かりましたが、Tレグが一番増えるのは、3歳ぐらいまでだそうです。
都会のように生活の環境が衛生的になりすぎると、免疫があまり刺激を受けなくなって、かえってアレルギーが増えてくるという、結果になっているのです。

だから子供の頃から牧畜環境があるアーミッシュは、Tレグが多く攻撃細胞を押さえ込む力があるから、アレルギーになりにくいといえます。
逆にTレグが少ない都会の人は、攻撃細胞を押さえ込めないので、アレルギーになりやすいということになります。

そのためTレグは、非常に重要な役割を持っています。
それは、Tレグをコントロールすればアレルギーの発症を、食い止めることができるかもしれないということだからです。
Tレグを増やせば、どんなアレルギーも治療が可能であろうと考えられるのです。

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